美観と精神

来年へ向けての作品のトライは既に始まっています。
その中で自らの美観について気づかされることは多いです。

私は集合美が好きです。
なので隷書や楷書を目が好むのですが、
これは何も書に限ったものではありません。
あらゆる事象に関しても密集しているものにある種の美を感じます。
新宿にある「うまい棒」(鳥の巣ビル)を見ると何度みても感動します。

草書にも関わらず密集させてしまうのです。

書きあがった結果をみると、
より大きく、より密に、と書いてあります。

こうしたブログの文章にしても、
私は密で大量です。
やはりそういう美観があるようです。

草書は間合いで見せる部分が非常に重要です。
これでは間合いで魅せることはできません。

密集させたいという美観は
同時に私の精神性の反映そのもののように思えてきます。

私はとかく費用対効果を気にします。
投じた費用に対してどれだけ効果を発揮するかという考えです。
ビジネスにおいては基本でかつ重要な考え方です。

サラリーマン時代に耳にタコが出来るほど仕込まれたという
のが要因でありますが、こうして自らの書を客観的に分析すると、
元々集合美に対し美観があったので、
そういう考え方を受け入れる精神的素養があったと考えられます。

書を通して精神的な幅を広げることは可能でしょう。
むしろその部分が大切に思います。
昔から日本人が書を続けていたのには教育上ちゃんとした理由があったのだと改めて思います。

書は精神性の表れそのものです。
自分の素地とは逆のことをすることである種の枠を無意識に植え付けることが可能です。
書の反復行為というのは比較的容易にできます。
人としての幅を広げるのに書にいそしむ反復行動には意味があると考えております。

私は元々密に美観があるため、
疎の反復をすることで、自らの精神性に疎の背景を加えることが可能になると考えています。

第二十二回 泰永書展 ~回回~感想

後半のフォトギャラリーはWeb泰永会に記載した内容と同じものです。
タイトル
第二十二回 泰永書展~回回~
会期
時期:8月27日()~29日(月)3日間
時間:11時~18時(初日のみ12時~)
会場
文京シビックセンター・
シビックギャラリー展示室1B

※作品集誤植の訂正:野尻泰煌の作品頁に掲載されている漢詩に誤りがありました。(誤)呈→(正)星。お詫びして訂正いたします。

[感想]

 今回は場所探しで時間を費やしましたが最終的にはぴったりの場所でやれて本当に良かった。昨年と同じ日取りでしたが、昨年のような酷暑でもなく中はともかく過ごしやすい3日日間でした。節電の影響で皆さん「暑い暑い」を連呼されてましたが、私はどちからというと低体温なので丁度いい感じ。(笑)今年も変化に富んだ展示となり面白い。他の方の作品を穴があきそうなほど鑑賞させて頂き自らの肥やしにさせて頂きました。最初の師が先月亡くなり、野尻の奥さんを見送って10年。色々考えさせられることがありました。奥さんがご存命の時にご一緒いただいた懐かしい顔もみえました。
 書に対するスタンスは相変わらずですが、彼女たちのバトンをしっかりと受け止め、その思いを受け継ぎたいと決意するに至りました。・・・と、言うのは簡単なんですけどね。(笑)

「僕はやった分しか認めないよ。やった分しか出ないんだから」
 笑いながら放った野尻の言葉が胸にささります。
なんであれ、やった分しか出ない。
今の自分が全て。そこには肯定も否定も存在しない。あるがままの姿がそこにあるのみ。
[フォトギャラリー]
(シビックギャラリー展示室1B外観)
展望エレベーターの正面にある。
全てをオープンにしてしまうと外から眺めて満足されてしまうため、
半分はカーテンを下ろした。
(シビックギャラリー展示室1B入口より全景)
今年よりお世話になる文京シビックセンターの展示室1B。
現在の泰永書展の規模に丁度マッチしている。
芸術劇場より天井は低いが、10尺の作品が飾れる高さをもつ。
(来場者風景)
8/28日曜、二日目の様子。
外では某有名事務所に所属のデビューツアーがドームで開催され賑やか。
印象としては文京区役所が開く平日の方がフリーのお客様が多い。
*
(メイン壁面)
会場のメインとなる壁面には野尻泰煌の書が鎮座する。
来年の海外で開会される展示会に向け作成されたもの。
あくまで過程のもので展示される作品は異なる。
ロンドンでの揮毫も依頼されたが諸事情で断らざるおえなかったよう。
脇を子供達の金文、草書、大人の楷書が固め、人気を得る。
代表は「僕の脇には子供の作品が一番合う」と語る。
*
(シビックセンター25階の眺望)
後楽園という地は街全体がアトラクションのようだ。
東京ドームやドームシティ、ラクーアといい遊戯施設が多く、
ここシビックセンターも25階が無料の展望室となっていた。
8/28日の日曜昼。天気もよくスカイツリーがクッキリ見える。
池袋サンシャインビル、新宿都庁など大パノラマも眺望できた。
*
(来場者の注目作)
毎年内外から声が上がる人気作を集めてみた。
代表は、「全体のレベルは高くなった。今年のベスト1はマッちゃんだな」
と私の作品をご評価していただけた。嬉しいやら恥ずかしいやら恐縮である。
観客からの人気は比較的分散した年となった。
その中でも一歩抜きに出たのは、恒例となった隷書額。今年は2×8尺。
入口に鎮座し客を魅了した。
あの書風は昔から女性の人気が高いが、今年も女性から圧倒的な支持をえた。
もう一つも恒例とった金文。書といより絵画的に鑑賞された方も多いようだ。
代表の作品には涙する人も。
「これだけ多彩だと書道展も楽しい」との声も上がった。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
*

見る好みと、書ける能力は別

私は見る分には楷書、隷書が好きです。
でも、書こうとすると肉体の奥底から「書きたくない」という塊が湧いてきます。
それを無視して書くとやはりストレスになるようで手が止まってしまいます。

野尻は、「好みと能力が一致している人は珍しい」といいます。

私は典型的な例のようで、
見る好みと、実際に持っている能力が真逆のタイプ。

「ここまで逆なのも珍しいけど、
完全に一致している人もそうはいない」と言います。

好みと能力は別ということです。
能力にないことをやるのは肉体的ストレスになり身体が拒絶するようです。
好みと違うことをやると楽しくはないものの肉体は受け入れるためストレスにはなりません。
不思議なものです。

好みと能力が努力によって寄り添うことは永遠にないように思います。
持って生まれたものですので。
人間は肉体をベースにした生きものですので、
肉体の能力にあった方向性に進みつつ、時折好みに手をつけるぐらいが良さそうです。
ただし、

「草書を習熟する書家は、
結果的に楷書も書けないと草書の大家にはなれない」と野尻は語ります。

「草書が体質に馴染むものは上達するほどに
余計に点折が曖昧になり流れてしまう。
経年と共にそれをよしとしてしまい、思い込みが出来る。
流れた草書は書にあらず。点折が出来ていてこその草書である。
それを防ぐためにも楷書はやらざるを得ない。
結果的に草書の大家は楷書の大家にもなる」 

師匠から渡された課題に楷書がありました。
新たな段階に入ったようです。
楷書・・・書きたくないなぁ。(笑)
師の楷書が素晴らしすぎる。
まぁ、仕方がありませんね。
下手は下手で受け止めるしかありません。

泰永書展の開催は予定通り

明日から泰永書展ですが、
今のところ予定通り開催できそうな運びです。
東電から輪番の発表もありませんし、
そもそも東電の電力には余裕があるようですし、
会場からも特に発表はありません。
地震もここ数日は落ち着いておりますね。

今年は会場が変わり、
会場側の指針により
接待や作品集の販売が出来ません。
バックヤードもありません。
純粋に鑑賞して頂ければ幸いです。
今年も泰永会らしい変化に富んだ展示となりそうです。

書道展目的だけで出るには躊躇われるのなら、
ついでに後楽園やラクーアへ遊びに行ってもよろしいのではないかと思います。
プレイスポットは多いです。
後楽園って野球好き、プロレス、ボクシング好きでもない限り来ませんしね。

アイス好きとしてはドームの外にあるカプリチョーザでソフトクリーム300円を食べながらのんびり外を眺めくつろぐのもよいかと。
私はミックス派です!!
先日打ち合わせした後、高熱でうなされながら座って食べました。
量は少なめ、味は普通ですが、オッサンにもなると雰囲気が大切。
その時はモデルさんの一団が闊歩してました。
アゲハ蝶のようでした。

師匠から課題をたんまり頂き「ヒー」と唸っている鳳煌でした。
すこし学生に戻った気分です。

第二十二回泰永書展

私が所属する書道会「泰永会」のご案内です。
第二十二回泰永書展

会期:8月27日()~29日()3日間
時間:11時~18時(初日のみ12時より)
場所文京シビックセンターギャラリーシビック展示室1B
  Web
住所 東京都文京区春日1-16-21
最寄駅
東京メトロ 後楽園駅/丸の内線(4a・5番出口)/南北線(5番出口)徒歩1分
都営地下鉄春日駅/三田線・大江戸線(文京シビックセンター連絡口)徒歩1分
JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分
入場料:無料
●重要
・会場が今年から変更になりましたのでご注意下さい。
・東京芸術劇場は全面改修工事のため2011年4月より1年半から2年程度利用できなくなります。
・会場側より、東京電力の輪番停電によっては閉館する可能性がある旨の報告があります。
・会場都合により中止する際は改めて本HP上にて発表いたしますので、お出かけ前にご確認願います。

3.11群発地震

生存、怪我無、家族全員の無事を確認。3.11。22時点。

集合住宅の目立った外傷なし、室内モノが降ってきたけど既に下に下ろして安全。
関係者のtwitterから推測するに、回線がパンク状態で救急電話がつながりにくくなっているようです。

各携帯電話会社の災害伝言板、NTTなら171を利用しましょう。
東京は被災地認定されていないため、171で登録は出来ませんが携帯の災害伝言板は利用できます。聞く側は相手の電話番号が必要となります。

災害確認方法のまとめ)

1.NTTの災害伝言ダイヤル
災害伝言ダイヤル登録 171>1>あなたの固定電話番号
災害伝言ダイヤル聞く側 171>2>相手の固定電話番号
なお、ダイヤル回線の方は#を押してトーンにすと逆につながりませんので通常のダイヤル回線のままご利用ください。

2.Googleの消息情報の登録、閲覧サイト(日本語、英語、中文対応)
http://japan.person-finder.appspot.com/
日本語のわからない方に英語で何が起きているかまとめているサイトもあります
http://gakuranman.com/great-tohoku-earthquake/

3.携帯各社の災害伝言板
災害用伝言板 DoCoMo:http://j.mp/168tdS
災害用伝言板  au:http://j.mp/6b8t2D
災害用伝言板  softbank:http://j.mp/cXX7Gw
各携帯から登録する場合、伝言板は携帯WebのTOPにある筈です。

4.地震震源地のリアルタイム情報(地図丸地震情報)
http://www.chizumaru.com/earthquake/map/

被害と関係ない地域の方の安否確認は可能な限り控えましょう。
そして原発停止に伴い電力不足が叫ばれています、周辺地域や都内では不要な電気は使わず暖房類も最低限にし衣服の厚着で暖をとりましょう。

群発地震のため今後どこで直下型がくるかわかりません、
非情報持ち出し袋は常に手元に、逃げる際はブレーカーを落としましょう。
電気ストーブは危険です。
ガス栓も可能な範囲でしめておきましょう。
食料は多くても移動出来ません。不要な買い占めはやめましょう。
カップ麺等を買うよりすぐに食べられるオニギリ等を用意したほうが良いと思います。

義援金詐欺も始まっているようです、義援金はTV、ラジオ等の公式発表を待って行いましょう。

twitterで非公式RTの利用をしないように声が上がってます。
リツイートする際は公式機能のRTボタンをしましょう。
既に救出済のツイートが無限に拡散されているようです。
また、要請した側も終了したツイートは可能な範囲で削除しましょう。そうすることで公式RTのメッセージは全て削除されます。非公式はそれがされません。

持病のある方は薬の持ち出しを忘れずに、発作等で避難後に被災する可能性があります。

繰り返します、安否確認は災害伝言板をできる限り利用し回線を開けましょう。不要な電気、ガス、水道の使用は控えましょう。リツイートは公式を使いましょう。不要な買い占めは控えましょう。非常用持出し袋は常時側においていきましょう。詐欺に注意しましょう。

手本を用意する

「書いてみる」の段階を過ぎ、続けたいと思う方の人の方向性として
二つの方向性が思い当たります。

一つは、飽きもせず書き続け益々楽しくなってくるでしょうか。
もう一つは、興味はあるが手本や深さが欲しくなるでしょうか。

例えば手本が欲しくなったり、
何か下支えが欲しくなったり、
自分の書(syo)に物足りなさを感じたら手本を用意しまよう。
手本は書道塾に属さなくても本屋さんにあります。

二玄社が出版している「中国法書選」に代表される出版物です。

まずは基礎知識なく視覚的な好みで選ぶのも
一つの方法かもしれません。

(備考)
視覚的な好みはある種の弊害もうみます。
それは別な記事で書きたいと思います。

書いてみる

準備が全て整ったら書いてみましょう。

まずは筆に対して馴染むことが先決となります。
筆の握った感触、
筆先を感じながら墨が紙を上を滑る感じを味わいます。

小学2年生程度までであれば、
まずは適当に筆をはしらせるだけで構わないでしょう。
5分もすれば飽いてきますので終了です。
芸事において、飽きは終了をいみするでしょう。
強制は百害あって一利なしです。素直にやめましょう。

小学3年生以上あたりから
好きな文字をとりあえず書くのがいいでしょう。
”とりあえず”ですのであまり気にする必要はありません。

いずれの場合も注意する点は、
「汚れる」ということです。
子供は派手に、大人でもそれなりに汚れます。
ですので、汚れてもいい格好でやりましょう。
汚れるのを気にしていては到底楽しむことは叶いません。
周囲に新聞紙を引いておくのも方法です。
筆の扱いに慣れていないので汚れるのは当然のことです。

(備考)気に入ったものができたら表具をしてみるのも考えです。

表具は高いと思われがちですが、
半紙程度の紙表紙であれば1000円程度から表具することは可能です。
記念にとっておくのもアリだと思います。
表具が仕上がったら、思いの外に感動すると思われます。

欧米人に比べ日本人は完璧主義傾向にあると聞きます。
楽しむことが下手だとも言われているようです。
確かにそうかもしれません。
何事も最初は下手で当たりまえなので、
下手なのを楽しむぐらいが丁度よいのかもしれません。
逆に上手になってくると上手さに苦しむことになりがちです。

何はともあれ楽しむことこそが全て原点のように思います。
続けていれば誰だって上手にはなるものです。
上手になることは結果であって目的ではないように感じます。

半紙(hansi)を用意する

筆(fude)、
墨汁(boku-zyuu)、
の用意ができたら半紙(hansi)を用意します。

半紙には表と裏があります。
購入した際に上になっている側が「表」になります。
具体的には、
指で触った時に、一方よりツルツルする側が表です。

下敷きをしき、
半紙の表側を上にして、
その上部角を文鎮でおさえます。
これで書くための準備は完成です。

蛇足ですが、
基本的に紙には表と裏があるようです。
普段みなれた上質紙、コピー用紙にも表と裏があります。
意識しませんけどね。

墨汁をいれる

筆を握ってみて感触を味わったら書く用意をします。

「墨汁をいれる」

100円程度から墨汁は売っています。
そういったもので構いません。

1.硯(suzuri)に墨汁を入れる。
2.水で薄めます。

目安がわからないのであれば、
墨汁30cc
水20cc
といった具合でどうでしょうか。

これは目安というわけではありません。
特に重要ではないということです。

たっぷり入れてしまうと
書き切るのは大変です。
最初は少しで構わないのです。
面倒であれば、
据え置き型の墨汁に直接筆を入れても構わないでしょう。